法改正情報(事務所通信)

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13年・2月号 パートタイマー等を雇入れる場合の契約について
(厚生労働省から指針が出ました)

最近パートタイマー等との有期労働契約に関するトラブルが多発しております。これを未然に防止するために厚生労働省が「有期労働契約の締結及び更新・雇止めに関する指針(基発第779号平成12・12・28)がでました。使用者の皆様は理解してトラブルが発生しないようにご留意ください。その要点をご案内いたします。

1.有期労働契約の範囲
パートタイマー、契約社員、嘱託、臨時社員、アルバイト等 その呼称を問わず期間を定めて締結される労働契約を指します。

2.有期労働契約の締結、更新、雇止めに当たり、その手続き及び契約期間に関して使用者が考慮すべき事項

(1) 更新・雇止めに関する説明
有期契約の締結に際し
(イ)その有期労働契約の更新の有無とその考え方。
(ロ)更新及び雇止めを行う場合の判断基準。
を該当労働者に対し説明するよう努めること。また説明した内容に変更があった場合速やかに当該労働者に説明するよう努めること。
(2) 契約期間
有期労働契約の更新により1年を超えて引き続き使用する労働者については、その期間を労働基準法の規定の範囲内でその労働者の希望に応じてできるだけ長くするように努めること。
(3) 雇止めの予告
使用者は有期労働契約の更新により1年を超えて引き続き労働者を使用するに至った場合であって、その労働契約を更新しない時は少なくとも30日前に更新しない旨を予告するよう努めること。
(4) 雇止め理由の告知
1年を超えて引き続き使用していた労働者をその労働契約を更新しない時は、基準法22条の定め(退職時の証明における解雇の理由証明)に準じ「契約期間満了」という理由とは別にその労働者が望んだ場合には更新しない理由を告知するよう努めること。
期間の定めない労働契約に係る労働者の解雇については、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と是認することができない場合には解雇権の濫用として無効となることがある。

形式が有期労働契約であっても、反復更新が続き、労働者が契約更新を期待しており、また、各別の意思表示や特段の支障がない限り当然更新されることを前提として契約が締結されると認められるもの等が、裁判では「解雇に関する法理」の類推適用等により雇止めが認められない判例が多数出ており適切な処理を講ずること。 以上

個別的労使紛争の多発について

東京都社会保険労務士会で総合労務相談室が開設されました。
私もその相談室の相談員の委嘱を受け相談を受けております。

 労働省が労使コミュニケーション調査を行ったところ、個人的処遇に関して「不平・不満をのべたことがある。」と答えた労働者の割合は三分の一を超えています。また不平不満を述べたことのない労働者のうち半数以上が「不平・不満がある」としています。
 その内容は、「日常業務の運営に関するもの」「作業環境に関するもの」「賃金、労働時間・労働条件に関するもの」となり労基署、職安、労政事務所、等労働省の出先機関への相談は全国で年間100万件を超えています。
 この様に企業内で解決することが困難な紛争が増え、これを裁判で解決することは時間と費用が大きいため、簡易にかつ迅速に処理するシステムとして個別的紛争処理に関する裁判外紛争処理制度(ADR)の整備が要望されてきました。
 東京都社会保険労務士会でも平成13年1月より総合労務相談室を設置、事業主、従業員より、解雇、賃金、退職金、セクハラ、男女差別等のトラブルに対する労使紛争の事前防止や解決のお手伝いをすることになりました。
 労務管理を専門とする社会保険労務士の中から5名の相談員を委嘱し相談に応ずることとなり、その1名に私も選ばれ相談に応じています。
 個別紛争は早期にその問題点を話し合い紛争を未然に防ぐことが大切です。労務管理の上でご相談があれば、私どもオフィスオオツジにご相談下さい。 以上


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