法改正情報(事務所通信)

バックナンバー

17年・5月号 ハローワークと社会保険事務所の連携について

 従来から行政の事務取り扱いが縦割り行政の誹りを受けており,厚生労働省においても労災保険,雇用保険,健康保険(厚生年金保険)等それぞれの行政窓口を異にすることで連絡が途絶えていましたが,今回ハローワークと社会保険事務所の間で下記のような連携した対応がされるようになりましたのでご紹介します。


1.ハローワークにおける厚生年金への加入が明示されていない求人への社会保険事務所と連携した対応等について(厚労省職業安定局)
厚生年金への加入については,事業主がその手続を担っておりハローワークに求人の申込を行う場合に,重要な求人条件として適切に明示することが必要なものである。このため全国のハローワークにおいて,社会保険事務所等関連機関と連携して求人事業主等に対する指導の充実を図る。

1.厚生年金に係る取り扱い
(1)事業主に対する周知・啓発の徹底【厚生労働省・事業者の皆様へ より】
   適用事業所:次の事業所は厚生年金保険の加入が,法律で義務付けられています。

・全ての法人事業所
・常時5人以上の従業員が働いている個人事業所
(会社,工場,商店、事務所など)

※個人事業所については,サービス業の一部(クリーニング業,飲食店,ビル清掃業など)漁業などは除外

   被保険者:上記適用事業所に使用される次の方は,全て被保険者になります
   (国籍,性別,賃金の額に関係はありません)

・常時使用される方
使用関係が常用的である方は全て被保険者となります。
(雇用契約書の有無などには関係無く,適用事業所で働き、労務の対価として給料や賃金を受ける方はすべて対象とされます。)
・パートタイマー・アルバイトなどの方
・次の[1]及び[2]のいづれにも該当する場合は原則として被保険者とされます
 [1] 労働日数
 1ヶ月の所定労働日数が一般社員のおおむね4分の3以上である場合
 [2] 労働時間
 一日又は一週間の所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上ある場合


(2)加入が適正に明示されていないと思われる求人事業主への対応
   ア 求人条件の変更,社会保険事務所への自主的な相談を指導。
   イ 必要な場合は事業主に関する情報を社会保険事務所に提供指導を要請。
   ウ 社会保険事務所からハローワークに指導結果の連絡
   エ 加入の条件が適正でなく是正の意思がないことが確認された求人取消


2.労働保険に係る取り扱い
労働保険(労災保険及び雇用保険>の保険関係の成立に係る手続を行っていない求人事業主に対する指導を,労働局との密接な連絡により引き続き徹底。
指導に応じず是正の意思がない場合求人取消


以上が今回厚生労働省が発表した要旨です。たまたま5月からは労働保険料の年度更新申請がはじまり、また厚生年金保険料・健康保険料の算定届の準備が始まります。各事業所でもう一度被保険者の範囲・適用状況を精査して行政からの指摘をされないようにしましょう。



雇用保険料の被保険者負担額の算定について
雇用保険の被保険者負担額について,これまで用いられていた「一般保険料表」は,平成17年3月31日限り廃止となりました。雇用保険の被保険者負担額は,労働者(被保険者)に支払われた賃金が区に被保険者負担率(本年度8.0/1000建設9.0/1000)をかけて算定します。端数処理は、50銭以下の場合切り捨て、50銭1厘以上1円に切り上げます。ただし労使の従来の慣習的取り扱いによることが認められます。

以上


事務所通信に戻る