法改正情報(事務所通信)

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雇用保険法が改正されましたご留意ください

 昨年リーマンブラザーの破綻より全世界に広がった不況の嵐は日本において厳しい雇用失業情勢が厳しい状況となりました。これを受けて政府は非正規労働者の失業者に対する雇用保険のセーフテイーネット機能と、再就職の支援を強化するため雇用保険の適用範囲の拡大を実施しました。
  今回上記の改正点について以下簡単に説明をいたします。 主な改正事項は以下5点です。

◆非正規労働者に対するセーフテイネットの機能強化

昨年年末に見られた労働契約が更新されなかったため離職した(雇止め)期間契約の有期契約労働者について雇用保険の適用基準の緩和

1.雇用保険の適用範囲の拡大

 1週間当たりの所定労働時間が20時間以上ある短時間労働者や派遣労働者の適用基準が緩和
被保険者期間が1年以上の雇用見込があること?6か月に短縮(解雇等の離職者と同様の扱い)に短縮されました。
 これにより今年の4月1日以前から雇い入れていた従業員が適用基準(週20時間で6か月以上)の雇用が続いた場合には雇用保険の被保険者資格届をハローワークに提出する必要があります注意してください。


2.給付日数を解雇等による離職者並に充実

雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充

  1. 特定受給資格者  倒産・解雇等の理由により再就職の準備をする時間的余裕なく離職を余儀なくされた者
      期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職した者(本人が契約更新を希望したにもかかわらず更新されなかった者、又は正当な理由がある自己都合離職者)は、離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格要件が認められていました。
  2. 特定理由離職者  特定受給資格者以外の者であって期間の定めある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職した者(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。) 最終的には資格についての判定はハローワークで行います。
    通常、短時間被保険者又は派遣労働者は、失業基本手当の受給要件は離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12か月以上必要なところ、特定理由離職者については離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6か月以上あれば受給資格要件を満たすようになりました。

3.再就職が困難な者に対する給付日数の延長

 特定受給資格者や期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職した者で下記の1〜3のいずれかに該当する者について、特に再就職が困難と公共職業安定所長が認めた場合給付日数が60日分延長されます。(ただし、被保険者期間が通算して20年以上かつ所定給付日数が270日又は330日以上ある者は、30日分の延長となります。)

  1. 受給資格に係る離職日において45歳未満の者
  2. 雇用機会が不足している地域として指定する地域に居住する者
  3. 公共職業安定所で知識、技能、職業経験その他の実情を勘案して再就職支援を計画的に行う必要があると認められる者

4.再就職手当の給付率引上げ及び支給要件の緩和

 早期に再就職した者が一定の要件を満たしている場合に支給される「再就職手当」給付率が、支給残日数に応じて30%から引き上げられました。
        所定給付日数の3分の2以上ある場合    50%
       所定給付日数の3分の1以上ある場合    40%

    この措置は平成21年3月31日から3年間の暫定措置となります。


5.常用用就職支度手当の給付率の引き上げ及び支給対象者の拡大

 身体障害者その他就職が困難者が再就職が困難な者が安定的な職業に再就職した場合に支給される「常用就職支度手当」の給付率が30%から40%に引き上げられました。
 従来育児休業給付は育児休業中と職場復帰後に分けて支給されていますが、平成22年4月以降に育児休業を開始した者については給付金を統合して全額育児休業中に支給されることになりました。また、平成22年3月31日までとされていた給付率の引き上げ(休業開始時賃金の50%)は当分の間延長されます。なお、平成22年3月31日までに育児休業した者には現行の育児休業基本給付金として育児休業中に30%、職場復帰して6か月経過後に育児休業者職場復帰給付金が20%支給されます。


7.雇用保険料率の引き下げ

失業給付に係る雇用保険料率は平成21年度に限り0.4%引き下げられました

     失業給付のための保険料率  平成20年度1.2%   平成21年度0.8%
     二事業のための保険料率    平成20年度0.3%   平成21年度0.3%
       雇用保険料率         平成20年度1.5%   平成21年度1.1%

 以上7点の改正がされました。内容についてご質問があれば私ども法人事務所までご連絡ください。

以上


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