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2009年1月 8日

製造業えの派遣禁止について

年末から世論を喚起した年越し派遣村について、製造業に対する派遣の規制緩和が論議の的になっている。

そもそも派遣法が成立したのは、戦前に行われていた人入れ稼業が戦後全面禁止された。とは言え、特定の専門業務につき緊急の人員不足を補うために採用されたものであり、あくまで臨時、緊急の繋ぎであったはづ。それが人件費の固定化から流動化への企業経営の要望と、産業の海外移転のドーナツ現象にによる、企業秘密の流失の反省もあり、派遣の規制が緩和され、とうとう製造業にまで適用された。企業側は雇用の調整弁と人件費の削減から人事政策から経済政策として派遣を多用し、今回のように必要なければ切る捨て、派遣先は看板方式と同じに物としての発注と派遣元への返品が行われ、それに対して企業は倫理的観念は一切見られない。派遣元も契約期間内、外を問わず雇用契約の解消を行うという現象と思われます。

現在国会では野党議員、一部与党議員から派遣法の改正が提議され製造業えの派遣禁止までに論議されている。
 これに対して経営者団体は製造業への禁止は雇用を喪失すると反対したいる。昨秋問題された2009年春の派遣期間終了に対する論議はどうなったか、3ヵ月のクーリング期間を過ぎたら再度派遣で再使用するのか、先般厚労省はこれは認められず直雇用か請負を選択するようにとの通達が出たばかり。また原則1年の派遣受け入れを3年に延長するには従業員代表の同意を得ることが必要だが、正社員に対するリストラにまで及んでいる現在自分たちの雇用確保で素直に3年間の派遣受け入れに同意するか極めて疑問と思う。

私ども派遣法の内容を知る社労士として今後の推移を見るとともに法令遵守の精神でコンサルを行いたい。

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2008年9月27日

いわゆる「2009年問題」への対応

現在製造業の労務管理で最重要課題は、「2009年問題」です。
製造現場で派遣の受け入れが認められ、その派遣受け入れ可能期間が満了となる3年間が平成21年(2009年)2月末日と成ります。
この対応に派遣元企業、派遣先企業とも直接雇用か請負に切り替えるか、さらにそのクーリング期間後再度派遣に切り替えるようなことを唱している企業等あるため今回厚労省通達だ出ました。
その概要は次のようなものです。
1.基本的な考え方
 労働者派遣は、臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組みであるので、労働者派遣の役務については、派遣就業の場所ごとの同一の業務について、派遣可能期間を超える期間継続して提供を受けることはできないこと。
クーリング期間(3ヵ月)が経過すれば、新たに当該業務に労働者派遣の役務の提供を受けることとすることは、労働者派遣法の趣旨に反するものであること。
派遣可能期間を超えてもなお、同一の業務を処理することが必要な場合には、基本的には、クーリング期間経過後再度の労働者派遣の受け入れを予定することなく、指揮命令が必要な場合は、直接雇用に、指揮命令が必要でない場合に請負によることとすることとすべきものであること。

 

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残業代割増率増額

現在労働基準法の改正案が衆議院で継続審議となっています。
その中で残時間が月80時間を超した場合の割増率を50%以上とする案が使用者側の反対で棚上げになっていました。
今回自民、公明与党で50%以上を義務づけする原案を「月80時間超」から「月60時間超」に修正する合意ができました。ただし、修正提出を総選挙後に提出するとのこと。

修正理由は月80時間を超す残業時間は、「過労死の労災認定ライン」として労働者側が反対していたこともあり、与党が選挙対策として急遽合意したものと推測されます。

ただし議会が解散されれば継続審議の法案は廃案となり与党が衆議院選で勝てば再提出するとしていることも選挙対策がらみと見え、真に労働者のことを考慮のうえとは信じがたい。
なお、法案可決した場合施行期日は2010年4月を見込んでいるようで1年半も後になる見込み

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2008年5月22日

派遣労働者の労災事故

最近どの会社でも派遣労働者を採用していないところが無いように派遣労働が多用されてきました。最近私どもに相談が多いのは派遣労働者の労災事故です。

派遣労働者の労災事故は派遣先で発生してもその手続、給付は、派遣元の労災で行います。派遣労働者に対する指揮は派遣先の管理者が行います。従って事故が発生しないように安全配慮義務は派遣先にあります。特に作業現場における安全指導を完全に行なわなければ派遣先事業主に民事上の損害賠償義務が発生します。またIT産業のような長時間労働による過重労働による心身疾患にたいして派遣元管理者は勤務状況をよく把握することが必要でこれに対する安全配慮義務責任が派遣元に発生する可能性が出てきます。十分気をつけることが必要です。

投稿者 otuji : 2008年5月22日 | トラックバック (0)