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2015年8月28日

マイナンバー制度の対応策

  マイナンバー制度が平成28年1月から実施され税や社会保険の手続に個人番号を付けることが必要となります。そのためそれに対応するための手続について企業は準備を始める必要があります。

 マイナンバー制度は「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号利用等に関する法律」として制定されるものです。
この法律でマイナンバーは、「個人番号」と言われ「住民票コードを変換して得られる番号であって、当該住民票コードが記載された住民票に係る者を識別するために指定されるものをいう。」と定義づけられています。
この制度が導入される場合民間企業の準備について
 
1.マイナンバー制度の利用開始はいつからか。
  現在利用開始のスケジュールは
        ? 労働保険関係 :雇用保険 労災保険は平成28年1月から
        ? 社会保険関係 :健康保険 厚生年金保険 国民年金は平成29年1月から
      となっています。
 
2.上記の「個人番号」(マイナンバー)の配布開始 
今年(平成27年)10月5日(月)以降、住民票のある世帯ごとに12桁のマイナンバーを記載した「通知カード」(紙製)が簡易書留で送付されます。
「通知カード」を受けた人は申請すれば「個人番号カード」の交付を受けることが出来ます。
「個人番号カード」 : 個人番号 生年月日 性別 住所 本人の顔写真等記載のICチップ付きカード
平成28年1月より上記1.のように社会保障、税、災害対策等の役所に対する手続にマイナンバーが利用されます
法人(事業者)についても1法人(以下事業者といいます)に1つの13桁のナンバーが付されます。
 
3. 民間事業者は、給与支払いの際に社員の所得税を源泉徴収、住民税の特別徴収、社会保険料の支払い等個人番号が必要な場合が出てきます。そのため社員から個人番号を告知してもらう必要があり、また配偶者や扶養親族の個人番号も告知してもらう必要があります。
事業者は法人、個人を問わず、社員は正社員、パート、アルバイト等すべてを含みます
 
4.「セキュリティ」に注意
「マイナンバー」利用のため特定個人情報保護委員会(平成26年12月11日設定)より「特定個人情報の適正なイドライン(事業者編)」発せられました。
それによると
? 個人番号の原則的な取扱い
「個人番号は番号法が予め限定的に事務の範囲の中から、具体的な利用目的を特定した上で、利用することを原則」 としています。事業者はマイナンバー法で認められた税と社会保険の手続に使用する場合のみ 可能となります。
「個人番号」は、個人情報保護法とは異なり、本人の同意があっても、個人番号を利用できる事務の範囲内を超えて特定個人情報*1を利用してはならないと定められています。従って、利用目的を超えて利用する必要が生じた場合には、当初の利用目的と相当の関連性を有する合理的範囲内で利用目的を変更し、本人に通知等を行うことにより、変更後の利用目的の範囲内で個人番号を利用することが出来るとされています。
1 特定個人情報:個人番号(個人番号に対応し、当該個人番号に代わって用いられる番号、記号その他の符号であって、住民票コード以外のものを含む。)をその内容に含む個人情報としています。
 
? 例外的な取扱いが出来る場合として人の生命、身体又は財産の保護のための提供(法19条13号)
人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意があり、又は本人の同意を得ることが困難なであるときは、特定個人情報を提供することが出来ます。
 
5.マイナンバー取得のための手続
?  「マイナンバー」を取得するには、あらかじめ利用目的(例 社会保険手続のため等)を特定し、通知または、公表する必要があります。方法としては、メール、社内イントラネット、掲示板への記載、 就業規則へ規定等があります。
?  実施者としてマイナンバー法では次のように定めています
個人番号を業務に使用する立場(行政など)を  「個人番号利用事務実施者」
個人番号関係事務を処理する者(企業など)を  「個人番号関係事務実施者」*1
*1個人番号関係事務実施者 :社会保険労務士等も含みます   
 
? 事業者はマイナンバー取得の際本人確認を行う必要があります
マイナンバー法第16条 本人確認 本人確認については、番号法、番号法施行令、番号法施行規則、及び個人番号利用事務実施者が認める方法で対応する必要があります。
? 通知カードの提示を受ける場合
 「通知カード」+「本人の身元確認書類」  運転免許書等                    
? ?以外の場合
 「番号確認書類」+「本人の身元確認書類」  住民票の写し等   運転免許証等
? 本人の代理人から個人番号の提供を受けた場合
? 書類の提示を受ける場合等
 「代理権確認書類」+「代理人身元確認書類」+「本人の番号確認書類」   代理権確認書類(代理人の戸籍謄本、委任状等)、代理人身元確認書類(個人番号カード、運転免許証等)、本人の番号確認書類(本人の個人番号カード等)  
 
6.保管と破棄
個人番号は、番号法で限定的に明記された事務を処理するために収集または保管されたものであるから、それらの事務を行う必要がある場合に限り特定個人情報を保管しつづけることが出来ます。また、個人番号が記載された書類等については、一定期間保存が義務付けられているものがあります。
一方、それらの事務を処理する必要が無くなった場合には、個人番号をできるだけ速やかに廃棄又は削除しなければならないと定められています。
 「安全管理措置」 : マイナンバー法で、個人番号関係事務実施者または個人番号利用事務実施者である事業者は、個人番号及び特定個人情報(以下「特定個人情報等」という。)の漏えい、滅失又は毀損の防止等、特定個人情報等の管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければならない。また従業者(従業員、取締役、派遣社員等)に特定個人情報等を取り扱わせるに当たっては、特定個人情報等の安全管理措置が適正に講じられるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならい。 としています
 
7.委託の取扱い
個人番号の取扱いを「個人番号関係事務実施者」等を第三者に委託する場合をマイナンバー法では次のように定めています。
「委託先における安全管理措置」
「個人番号関係事務の全部又は一部の委託をするもの(以下「委託者」と言います、例えば顧問先企業)は、委託した個人番号関係事務で取り扱う個人情報の安全管理措置を適切に講じられるよう「委託を受けた者」に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」と定められています。このため、委託者は、「委託を受けた者」において、番号法に基づき委託者自ら果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければならない。」とさだめています。
 
 
マイナンバー法が始まる前に事前に準備しなければならないこと
 
1.洗い出し作業
?個人番号を取り扱う事務の明確化 ?特定個人情報等の範囲の明確化
2.設置と選任
?事務取扱担当者の選任 ?責任者・責任部署の設置
3.方法の決定
?本人確認方法の決定 ?個人番号・特定個人情報の記録と保存方法の決定
?委任先の適切な選定 ?委託先との契約の締結 ?委託先の特定個人情報の取扱い状況の把握
5.規程類や書面の整備
?基本方針の策定 ?取扱い規程等の策定
6.安全管理措置の整備
?組織的 ?人的 ?物理的 ?技術的  安全管理措置の整備
7.制度の周知
?10月〜12月頃 ?住民票のある人に全員 ?簡易書留便 ?家族全員のマイナンバー通知カード ?住民票の住所に届く
?無くさないように!! ?家族分も含めて会社に提出
 
8.個人番号の提供の要求
上記7.個人番号の取扱いの委託をうけた者は、個人番号の提供を要求します。    
個人番号関係事務実施者は、個人番号関係事務を処理するために必要がある場合に限って、本人又は他の個人番号関係事務実施者に対して個人番号の提供を求めることが出来るとされています。ただし、提供を求める制限として、「何人も、番号法第19条(特定個人情報の提供の制限)各号のいずれかに該当し特定個人情報の提供を受けることが出来る場合を除き、他人の個人番号の提供を求めてはならない。」とされています。
 
 
 
 
10月以降実際の収集
?簡易書留は不在者には持ち帰ります。確実に受け取ること ?住まいの場所と住民票の住所が異なる場合は、通知カードを確実に受け取ることが出来ない可能性あり ?絶対無くさないこと
 
 以上マイナンバー制度についての対応策を記述しました。制度導入に関し、社内規定の見直し、安全管理措置の実施、従業員に対する説明等ご要望があれば是非幣事務所までご連絡ください。
 
 

 

 

 

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無期労働契約転換制度について

 平成24年改正労働者派遣法成立時の付帯決議【附帯決議】(24.3.27厚生労働委員会議決)

   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

   「労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と

   意見聴取を徹底するよう努めること。」

 

    上記改正法は平成27年10月1日から施行することとされ、同法第40条の6で「労働契約申し込み 

   みなし制度」について定めています。この制度について平成27710日に職業安定局長から通達が発

   せられました。以下その概略を説明します。

 

1.制度の趣旨

      善意無過失の場合を除き、労働者派遣を受ける者が派遣労働者に対して、労働契約の申込みをしたものと

  みなす制度です。「善意無過失の場合を除き、違法派遣をうけいれた者にも責任があり、そのような者に民

  事的な制裁を科すことにより、派遣法の実効性を確保する。」為としています。

 

2.違法行為の類型

 ? 派遣労働者を禁止業務に従事させること

 ? 無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること

 ? 期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること

 ? 労働者派遣法又は労働者派遣法の規定により適用される労働基準法等(以下「労働者派遣法等」という。)

  の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要とされる事項を定め

  ずに労働者派遣の役務の提供をうけること(以下「いわゆる偽装請負等」という。)

 

3.違法行為の「いわゆる偽装請負等」

   派遣労働者を禁止業務に従事させること、無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること及び期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供をうけることという他の3つ類型と異なり、労働者派遣法等の適用を免れる目的(以下「偽装請負等の目的」という。)で、請負契約等を締結し、当該請負事業主が雇用する労働者に労働者派遣と同様に指揮命令を行うこと等によって、偽装請負の状態となった時点で労働契約の申込みをしたものとみなされるものをいいます。

  派遣先等に「偽装請負等の目的」が無く、その後受けている役務の提供がいわゆる偽装請負等に該当するとの認識が派遣先等に生じた場合は、その認識した時点が開始時点より後であればその日の翌就業日以降初めて指揮命令を行う等により改めて「偽装請負等の状態となった」と認められ、この時点で労働契約の申込みをしたものとみなされます。

 

4.労働契約の成立の時点

 

    ? 労働契約が成立する時点 見做し制度に基づく申込みについて、派遣労働者が承諾の意思表示をした時点 

  となります。

 ? 派遣労働者が承諾できる申込み 最初の申込みに限りません。

 ? 承諾をしないことの意思表示 見做し制度は派遣先等に対する制裁であることから、違法行為の前から予め派遣労働者が「承諾をしない」ことを意思表示した場合であっても、その意思表示の合意については公序良俗に反し、無効と解釈されます。

 

以下省略

 

 

 

  以上労働契約みなし制度について解説しました。なお、改正法施行日時点で違法行為が行われている場合、

 経過措置が設けられていないため、適用される違法行為が行われている場合は、派遣先等は、その時点で労働契約の申込みをしたものとみなされますので注意してください。

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労働契約申し込みみなし制度について

平成24年改正労働者派遣法成立時の付帯決議【附帯決議】(24.3.27厚生労働委員会議決)

「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 『「労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と意見聴取を 徹底するよう努めること。』」
 
 上記改正法は平成27年10月1日から施行することとされ、同法第40条の6で「労働契約申し込みみなし制度」  について定めています。
 この制度について平成27年7月10日に職業安定局長から通達が発せられました。以下その概略を説明します。
 
1.制度の趣旨
    善意無過失の場合を除き、労働者派遣を受ける者が派遣労働者に対して、労働契約の申込みをしたものとみなす制度です。
    「善意無過失の場合を除き、違法派遣をうけいれた者にも責任があり、そのような者に民事的な制裁を科すことにより、  派遣法の実効性を確保する。」ためとしています。
 
2.違法行為の類型
 ? 派遣労働者を禁止業務に従事させること
 ? 無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
 ? 期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること
 ? 労働者派遣法又は労働者派遣法の規定により適用される労働基準法等(以下「労働者派遣法等」という。)の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要とされる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供をうけること(以下「いわゆる偽装請負等」という。)
 
3.違法行為の「いわゆる偽装請負等」
  派遣労働者を禁止業務に従事させること、無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること及び期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供をうけることという他の3つ類型と異なり、労働者派遣法等の適用を免れる目的(以下「偽装請負等の目的」という。)で、請負契約等を締結し、当該請負事業主が雇用する労働者に労働者派遣と同様に指揮命令を行うこと等によって、偽装請負の状態となった時点で労働契約の申込みをしたものとみなされるものをいいます。
  派遣先等に「偽装請負等の目的」が無く、その後受けている役務の提供がいわゆる偽装請負等に該当するとの認識が派遣先等に生じた場合は、その認識した時点が開始時点より後であればその日の翌就業日以降初めて指揮命令を行う等により改めて「偽装請負等の状態となった」と認められ、この時点で労働契約の申込みをしたものとみなされます。
 
4.労働契約の成立の時点
  ? 労働契約が成立する時点 見做し制度に基づく申込みについて、派遣労働者が承諾の意思表示をした時点となります。
 ? 派遣労働者が承諾できる申込み 最初の申込みに限りません。
 ? 承諾をしないことの意思表示 見做し制度は派遣先等に対する制裁であることから、違法行為の前から予め派遣労働者が「承諾をしない」ことを意思表示した場合であっても、その意思表示の合意については公序良俗に反し、無効と解釈されます。
 
以下省略
 
  以上労働契約みなし制度について解説しました。なお、改正法施行日時点で違法行為が行われている場合、経過措置が設けられていないため、適用される違法行為が行われている場合は、派遣先等は、その時点で労働契約の申込みをしたものとみなされますので注意してください。
 
  制度導入に関し、社内規定の見直し、従業員等に対する説明ご要望あれば是法人までご連絡ください。
 
 

投稿者 otuji : 2015年8月28日 | トラックバック (0)

ストレスチェック制度の導入準備のために

  労働安全衛生法が改正され、労働者が50人以上いる事業所では、平成27年(2015年)12月から毎年1回ストレスチェック検査をすべての労働者*に対して実施することが義務付けられました。

 *契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。

 以下上記ストレスチェック制度の導入準備について解説します。

 

 

 

 

1.何のためにするのか

  近時「うつ」などのメンタルヘルス不調を訴える労働者が増大してきました。従業員が自分のストレス状態をすることで、ストレスをためすぎないように対処したり、ストレスが高い状態の場合は医師の面接を受けてもらう、あるいは会社の仕事の軽減などの措置を実施する等「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止するための仕組みです

2.企業はどのように準備し推進したらよいか

 1.事業所の衛生委員会開催

   衛生委員会で下記の事項を検討します。

   1.うつ病等による休業者の有無と人数等事業所の現状の調査

   2.従業員に対しての説明方法

スレスチェックの内容を決め従業員に発表用内部規程を作成します。

   3.制度全体の担当者*1・実施者*2・実施事務従事者*3・面接指導する担当医師等*4の決定(届出の必要はありません。)

    上記2の発表用内部規程に明示します。

    *1 ストレスチェック制度の計画づくり進捗状況を把握管理する者

    *2 医師、保健師、厚労大臣の定めた研修を受けた看護師・精神保健福祉士、社会保険労務士等の中から選びます。

    *3 実施者の補助をする者:質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取扱う業務を担当する者、外部委託も可能です。

    *4 産業医が適切です。

4.事業者のメンタルヘルスケアを積極的に推進する旨の表明します。

    5.平成28年4月が新年度始まりの企業は、3月までに衛生委員会での事前準備を進める必要があります。

   2.内部規定を作り、社内に周知

1.平成28年4月の衛生委員会からストレスチェックの内容を決め、内部規定や議事録に残します。

  ポイント

  ? 目的がメンタルヘルス不調の未然防止(一次予防)であり不調者の早期発見(二次予防)ではないことを明示します。

  ? 実施体制(医師、保健師、看護師、精神保健福祉士の有資格者、社会保険労務士(=実施者)、複数なら共同実施者と実施代表者、

       実施事務従事者(=事務担当者)の明示。

  ? 実施方法(使用する調査票、評価方法、高ストレスの評価基準)の決定。

  ? 従業員一人ひとりが受けたか、どうかという情報の取扱い

(会社側による把握と受検勧奨も)。

  ? 分析結果の利用

(ストレスチェックの面接指導の申出の勧奨)の決定。

  ? 個人の結果の保存方法

(保存者、保存場所、セキュリティの確保を含む)。

  ? 個人の結果の事業者への提供の同意を取得する方法。

  ? 個人の結果に係る情報の開示、訂正、追加または削除の方法と取扱いに関する苦情の処理方法。

  ? 従業員はストレスチェックを受けなくともかまわないこと。

 

  3.ストレスチェックの内容、受検から通知まで

  1.ストレスチェックで確認すること

1. 今年12月から義務化のスチレスチェック調査に厚生労働省は

  ”職業性ストレス簡易調査表”利用を推奨しています。

 職業性ストレス簡易調査表の具体的な質問内容は

〈仕事のストレス要因〉

    ・時間内に仕事が処理しきれない。

・自分のペースで仕事ができる。

・部署内で意見のくい違いがある等。

〈ストレス反応〉

・ひどく疲れた(疲労)

・不安だ(不安)

・ゆううつだ(抑うつ)

・そのほか、食欲不振や不眠 等

〈周囲のサポート〉

・上司、同僚に対して;どのくらい気軽に話ができますか?困ったとき、頼りになりますか? 等

  2.評価の仕方と結果の取扱い

1.ストレスチェックを受ける人は、頻度や程度を4段階で回答します。

2.回答結果(例)

・ 仕事のストレス要因では心理的な仕事の量や質の負担、

・ 対人関係でのストレスといった小項目ごとに標準的データと比較して5段階で評価されます。

3.評価者

・ 医師、保健師等の実施者

4.小項目ごとの特徴

       ・「ストレスプロフィール」と呼ばれる、レーダーチャート等のわかりやすい形式で受検者に返送されます。

5.非常にストレスが強い場合

・ ”高ストレス状態”と評価結果になります。

  具体的には「ストレス反応」の項目が非常に高い点数と「ストレス反応」がある程度高く、「仕事のストレス要因」が強く、「周囲のサポート」が乏しい場合

  ”高ストレス状態”にあたるとされます。

6.ストレスチェック制度

・ 仕事のストレス要因、ストレス反応、周囲のサポート等

 見方により機微で人間関係に影響する内容を受験者は回答を受けます。

 (例)

・ ”部署内で意見のくい違いがある”が ”そうだ”と回答

  ”気軽に話ができますか?”に対して ”全くない”と答え

 経営者や管理職の意に反する場合、解雇や雇い止めのような不利益を被る恐れがあります。

・ 健康にまつわる個人情報(健康情報)はプライバシーに当たります。そのため、個人の ”ストレスプロフィール”と評価結果が正直に回答した人の不利益にならぬよう、健康診断と異なり、会社側には返されないことも知らせておく必要があります。

   3.受験者への通知と案内

1.ペーパーがICTを用いた手法であればEメールで、受検者に返されます。

  内容 「高ストレス状態ではない場合」

・ストレスプロフィール

    ・セルフケアのアドバイス

   「高ストレス状態である場合」

これに加えて

・医師の面接指導の対象であること

・会社への面接指導の申出方法

・その他、相談可能な窓口の情報

2.ストレスチェックの主たる目的 未然防止

 ・ すべての働く人が受検することが望ましい

 ・ 会社側には医師等の実施者から受検していない人が誰なのか通知します。

 ・ 会社側からその人たちにストレスチェックを受けるよう勧めるこ 

      とが出来ます。

 ・ 実施者には医師による面接指導を誰が受けたかを通知します。

 ・ 実施者は、高ストレス状態との評価結果で高ストレス状態と評価

  結果があったにもかかわらず、医師の面接指導を受けていない人た   

      ちに対してこれを受けるように勧奨します。

 ・ ”高ストレス状態”との結果だった人が医師の面接指導を申出るか、評価結果を見て同意してはじめて、その結果が社内の予め限定した人たちに通知されることとされます。

   4.医師による面接指導の流れ

1.ストレスチェックの結果 ”高ストレス状態”と評価結果が通知された従業員にたいし

 ? 医師による面接指導を勧める。

 ? 「面接指導を希望する」と申し出た従業員の結果

 ? 実施者(専門家)からの企業の窓口に通知

 ? 通知されるのは人事部門の窓口のみ

 ? 結果を無条件で上司に開示は不良。

 ? 面接指導は、事業場で契約している産業医か職場の健康管理に従事している医師が行う。

 ? ストレスチェックを健診機関やメンタルヘルス相談機関の医師に依頼する場合でも医師会認定産業医等の資格が必要。

 ? 医師の面接指導の聴取時以降

?) 勤務の状況 (労働時間、業務内容等は予め人事部門から提供)

    ?) ストレス要因 (職場の人間関係、業務・役割の変化の有無等)

    ?) 心理的な負担の状況 (抑うつ症状等)

?) 周囲のサポート状況

?) 心身の状況の確認 (過去の健診結果や病気の既往の確認を含む)

 2. 得られた情報や問診、診察の結果医師は下記のような助言、保健指導を行います。

?) ストレス軽減のための適切な対処行動の勧め。

例)問題対処に集中する方法、認知の特徴を知り行動を変えていく方法、運動や睡眠のような生活習慣を改善すること、信頼する人に聞いてもらう方法、気晴らしを行う等。

?) 疲労の蓄積があれば、睡眠や休養を取りやすい生活環境にする。

?) 睡眠障害の場合の節酒の勧め。

?) 強いストレス要因を軽減することが出来ないかという検討を行い、就業時間の制限や作業場所の転換のような措置の要否を相談する。

 

   5.専門医の紹介と就業上の意見

 1. 医師が治療の必要なレベルの不調があると判断した場合

?) 専門クリニックや病院に受診する必要性を考え紹介する。

例)めまい、ふらつき、嘔気、などの自律神経症状や倦怠感などの身体症状が強い場合。

  うつ状態が強く、うつ病や不安障害が疑われる場合。

  睡眠障害があって日常業務の遂行に支障をきたしているような場合。

 2. 医師が必要と考えると

?) 就業時間の短縮や就業の禁止。

?) 作業や作業場所の転換

?) 深夜業の減少や昼間勤務への転換等

   意見を会社側に提出する。

 3. 会社はその意見を企業内で検討

当該する従業員に対して、これらの就業上の配慮や措置を行う。

?) 本人の結果が人事部門等に通知された(3.−1)場合、医師の面接指導を経ないで、就業上の措置を実行することは、本人の不利益になる可能性があるため禁じられています。

?) 就業上の措置が講じられる前に、本人とよく対話し、同意を得られるように努力する必要あり。

 3.過重労働面接と相談窓口を活用

    1. メンタルヘルス対策のコンプライアンス

?) 月間100時間以上の時間外労働を行った従業員に対する、”

 過重労働面接”の実績があるか。(法的義務)

    ?) 過重労働面接を該当従業員の希望に基づいて行っているか

?) 産業医等から就業上の措置に関する意見が提出されているか。

?) 企業が "過重労働面接”の仕組みがなければ、法的義務と

 してストレスチェック制度が開始される前に速やかに導入を

 する必要がある。 

2.過重労働面接で医師が該当する従業員からの聴取する内容

?) 保健指導等の内容とほぼ同様

?) 本人が面接を望まず、不調の未然防止を目指すストレスチェック制度の実効性が失われる恐れがあるため、

?) 外部委託機関等の保健師、看護師等にワンクッションの意味で健康相談を置く制度がある。

?) 結果通知で案内し、相談の中で、医師による面接指導を勧めることが出来る。

 

 以上ストレスチェック制度についての対応策を記述しました。制度導入に関し、社内規定の見直し、従業員に対する説明等ご要望があれば是非幣事務所までご連絡ください。

以上

 

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