2015年8月28日
労働契約申し込みみなし制度について
平成24年改正労働者派遣法成立時の付帯決議【附帯決議】(24.3.27厚生労働委員会議決)
「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
『「労働契約申込みみなし制度の創設に当たり、派遣労働者の就業機会が縮小することのないよう、周知と意見聴取を 徹底するよう努めること。』」
上記改正法は平成27年10月1日から施行することとされ、同法第40条の6で「労働契約申し込みみなし制度」 について定めています。
この制度について平成27年7月10日に職業安定局長から通達が発せられました。以下その概略を説明します。
1.制度の趣旨
善意無過失の場合を除き、労働者派遣を受ける者が派遣労働者に対して、労働契約の申込みをしたものとみなす制度です。
「善意無過失の場合を除き、違法派遣をうけいれた者にも責任があり、そのような者に民事的な制裁を科すことにより、 派遣法の実効性を確保する。」ためとしています。
2.違法行為の類型
? 派遣労働者を禁止業務に従事させること
? 無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること
? 期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供を受けること
? 労働者派遣法又は労働者派遣法の規定により適用される労働基準法等(以下「労働者派遣法等」という。)の規定の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を締結し、必要とされる事項を定めずに労働者派遣の役務の提供をうけること(以下「いわゆる偽装請負等」という。)
3.違法行為の「いわゆる偽装請負等」
派遣労働者を禁止業務に従事させること、無許可事業主又は無届出事業主から労働者派遣の役務の提供を受けること及び期間制限に違反して労働者派遣の役務の提供をうけることという他の3つ類型と異なり、労働者派遣法等の適用を免れる目的(以下「偽装請負等の目的」という。)で、請負契約等を締結し、当該請負事業主が雇用する労働者に労働者派遣と同様に指揮命令を行うこと等によって、偽装請負の状態となった時点で労働契約の申込みをしたものとみなされるものをいいます。
派遣先等に「偽装請負等の目的」が無く、その後受けている役務の提供がいわゆる偽装請負等に該当するとの認識が派遣先等に生じた場合は、その認識した時点が開始時点より後であればその日の翌就業日以降初めて指揮命令を行う等により改めて「偽装請負等の状態となった」と認められ、この時点で労働契約の申込みをしたものとみなされます。
4.労働契約の成立の時点
? 労働契約が成立する時点 見做し制度に基づく申込みについて、派遣労働者が承諾の意思表示をした時点となります。
? 派遣労働者が承諾できる申込み 最初の申込みに限りません。
? 承諾をしないことの意思表示 見做し制度は派遣先等に対する制裁であることから、違法行為の前から予め派遣労働者が「承諾をしない」ことを意思表示した場合であっても、その意思表示の合意については公序良俗に反し、無効と解釈されます。
以下省略
以上労働契約みなし制度について解説しました。なお、改正法施行日時点で違法行為が行われている場合、経過措置が設けられていないため、適用される違法行為が行われている場合は、派遣先等は、その時点で労働契約の申込みをしたものとみなされますので注意してください。
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投稿者 otuji : 2015年8月28日 | トラックバック (0)